太りやすいアブラ・太りにくいアブラ

太りやすい脂肪酸

◆ 身体に蓄積されやすいアブラ、蓄積されにくいアブラ


身体に蓄積されやすいアブラ、蓄積されにくいアブラというテーマをまとめてみたいと思います。
誰もが関心のあるテーマではないでしょうか。

このページで「まとめる」内容は、情報収集の過程での内容とご理解ください。
今後、新しい情報を入手するたびごとに内容はアップデートされます。
「考える過程」を見てもらうページとお考え下さい。

まず最初は、わたしが「脂質栄養学」の講座で学んだ情報から始めたいと思います。

脂肪が蓄積されやすいアブラ(脂肪酸)


「脂質栄養学」の講座を半年くらいかけて受講しました。その講座で体内で体脂肪として蓄積されやすいアブラ(脂肪酸)は、以下の順番と習いました。参考書として読んでいる脂質栄養学の本にも、同じような情報が書かれていました。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24342605/
Vannice G, Rasmussen H. Position of the academy of nutrition and dietetics: dietary fatty acids for healthy adults. J Acad Nutr Diet. 2014 Jan;114(1):136-53. doi: 10.1016/j.jand.2013.11.001. Erratum in: J Acad Nutr Diet. 2014 Apr;114(4):644. PMID: 24342605.

1,飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸)


・飽和脂肪酸は、炭素と炭素が二本の手でつながっている二重結合がない脂肪酸です。
・飽和脂肪酸は、炭素の長さで、短鎖中鎖長鎖という3つの脂肪酸の分類がされます。
・この長鎖脂肪酸です。

● 飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸を多く含む食品


牛肉全般、豚肉全般、加工肉全般、鶏肉(皮)、生クリーム、ホイップクリーム、プロセスチーズ、パーム油、ショートニング、バター、マーガリンなど

● 摂取量の目安


日本人の食事摂取基準(2020年版)では、飽和脂肪酸の1日の摂取量の目安を総摂取カロリーの7%以下としています。2000kcal摂取するとして、140kcal。油は、1gで、9kcalですから、約15g程度です。

2,多価不飽和脂肪酸 オメガ6系(リノール酸)


・二重結合がある脂肪酸を不飽和脂肪酸といいます。その中で、複数二重結合がある不飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といいます。
・身体で合成できないため、食事から食べる必要がある必須脂肪酸です。
・脂肪酸の片側のメチル基(オメガエンド)から数えて6番目の炭素に二重結合があるためオメガ6と分類されます。
・あらゆる食品に含まれます。「見えないアブラ」と表現されます。
摂取過多とされる脂肪酸です。
・2位と3位のアブラは、順位は逆かもしれません。

● 多価不飽和脂肪酸 オメガ6系リノール酸を多く含む食品


サラダ油全般、マヨネーズ、なたね油、ラー油、ごま油、ドレッシング、鶏肉(皮)、油揚げ、納豆、卵(卵黄)、他多くの加工食品。

● 摂取量の目安


女性:7~10g(年齢、妊婦、授乳期によって違う)
男性:8~11g(年齢によって違う)

※農林水産省「脂質による健康影響」より
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.html

3,一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)


・二重結合がある脂肪酸を不飽和脂肪酸といいます。その中で、二重結合が1個だけある不飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸といいます。
・身体の中で合成できます。
・2位と3位のアブラは、順位は逆かもしれません。

● 一価不飽和脂肪酸を多く含む食品


オリーブオイル、なたね油、ショートニング、牛脂、牛肉全般、ラード、鶏肉(皮)、生クリーム、

● 摂取量の目安


日本人の食事摂取基準では、とくに設定されていません。

脂肪が蓄積されにくいアブラ(脂肪酸)


体内で体脂肪として蓄積されにくいアブラ(脂肪酸)は、以下とおりです。

飽和脂肪酸 中鎖脂肪酸(カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸)


・飽和脂肪酸は、炭素の長さで、短鎖中鎖長鎖という3つの脂肪酸の分類がされます。
・この中鎖脂肪酸です。
カプリル酸カプリン酸ラウリン酸の3つの脂肪酸があります。
・中鎖脂肪酸は、炭素数が短いため長鎖脂肪酸より消化、吸収が簡単で、余剰の脂肪として蓄積されません。
中鎖脂肪酸に関しては、まとめたページをつくっています。
・ただ、ラウリン酸は、長鎖脂肪酸と似たような代謝経路ということで、蓄積されにくいアブラの対象にはならない可能性があります。

● 飽和脂肪酸の中鎖脂肪酸を多く含む食品


ココナッツオイル

● 摂取量の目安


日本人の食事摂取基準では、中鎖脂肪酸としては、とくに設定されていません。

多価不飽和脂肪酸 オメガ3系(α-リノレン酸、EPA、DHA)


・二重結合がある脂肪酸を不飽和脂肪酸といいます。その中で、複数二重結合がある不飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸といいます。
・身体で合成できないため、食事から食べる必要がある必須脂肪酸です。
・脂肪酸の片側のメチル基(オメガエンド)から数えて3番目の炭素に二重結合があるためオメガ3と分類されます。
絶対的に摂取量が不足しているアブラ(脂肪酸)です。
オメガ3系脂肪酸は抗肥満効果も報告されています。


https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19460115/
Buckley JD, Howe PR. Anti-obesity effects of long-chain omega-3 polyunsaturated fatty acids. Obes Rev. 2009 Nov;10(6):648-59. doi: 10.1111/j.1467-789X.2009.00584.x. Epub 2009 May 12. PMID: 19460115.

● 多価不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸を多く含む食品


えごま油インカインチオイル、亜麻仁油、魚、くるみ

● 摂取量の目安


女性:1.6~2.0g(年齢、妊婦、授乳期によって違う)
男性:2.0~2.2g(年齢によって違う)

※農林水産省「脂質による健康影響」より
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_eikyou.html


もうひとつの摂取量の考え方として、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸のバランスがあります。
オメガ6:オメガ3=2:1
です。上の摂取量目安では、
オメガ6:オメガ3=4:1
程度になっていると思いますが、現在、脂質研究者の中では2:1という考え方が主流となっています。脂肪酸のバランスを整えることを意識したいです。
オメガ6系脂肪酸を減らすのは難しいため、オメガ3系脂肪酸を増やすことが適切です。上記摂取量目安の約2倍です。

アブラが蓄積されるメカニズム


中性脂肪の再合成の仕組み

摂取された脂質(中性脂肪)は、グリセロール遊離脂肪酸に分解されます。
グリセロールは、糖新生グルコースになります。
遊離脂肪酸は、補酵素Aが結合して、アシルCoAになります。
アシルCoAはミトコンドリアの膜を通過して、ミトコンドリアマトリックスに入り、β酸化によってアセチルCoAを生じ、TCA回路に入ります。

しかし、余剰なアセチルCoAが生じると、アセチルCoAは、ミトコンドリアの外側に出されます。
そして、脂肪酸から中性脂肪に再合成されます。


アブラだけでなく、炭水化物を食べても、中性脂肪に再合成される。

ここでポイントは、アセチルCoAは、脂質からだけでなく、もちろんグルコースからも生じるということです。炭水化物を食べても、アセチルCoAは生じます。アブラだけでなく、炭水化物を食べても、アセチルCoAが余ることで、中性脂肪になるということです。

炭水化物を食べても、アブラの多い食べ物を食べても太りますから、当然と言えば当然ですが、メカニズムを知ると、なるほどと思います。

◆ どんな脂肪酸が蓄積されやすいか(推論)


上に蓄積されやすいアブラと、そうでないアブラを紹介しましたが、ではその違いはどこにあるのか、情報を探していました。
「脂質栄養学」という本に興味深い内容が書かれていました。
脂質栄養学(菅野道廣著:幸書房)
その内容を元に仮説を考えてみたいと思います。(※脂質栄養学)

食事から食べたアブラは、ミトコンドリアでβ酸化を受けます。そしてアセチルCoAを生じ、エネルギーを産生するわけですが、その際の「エネルギー価」と「酸化速度」が身体に蓄積されやすいアブラを判断するひとつの基準になるのではないかという仮説です。


エネルギー価

● エネルギー価は、脂肪酸の炭素数が長いほど大きい。(※脂質栄養学)

● 不飽和結合があると、水素原子数が少ないためエネルギー量が少なくなる。(※脂質栄養学)

上記内容を元に推測


このエネルギー価とは、脂肪酸はβ酸化で炭素が2個づつ分解されてアセチルCoAが生じるのですが、炭素数が長いほどアセチルCoAの数が増えることになります。これをエネルギー価と言っていると推測します。


まず前提として・・・
● 飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸は、脂肪が蓄積されやすいアブラの筆頭
● 飽和脂肪酸の中鎖脂肪酸は、素早くエネルギーになり、中性脂肪として蓄積されない
不飽和脂肪酸リノール酸オレイン酸は、飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸と比べてアブラの蓄積度は低い


▼ 脂肪酸それぞれの炭素数と二重結合数です。

      炭素数 二重結合
飽和脂肪酸 中鎖脂肪酸 カプリル酸 8 0
飽和脂肪酸 中鎖脂肪酸 カプリン酸 10 0
飽和脂肪酸 中鎖脂肪酸 ラウリン酸 12 0
飽和脂肪酸 長鎖脂肪酸

パルミチン酸

16 0
飽和脂肪酸 長鎖脂肪酸 ステアリン酸 18 0
不飽和脂肪酸 長鎖脂肪酸

オレイン酸

18 1
不飽和脂肪酸 長鎖脂肪酸 リノール酸 18 2


▷ 飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸は、炭素数が長く、不飽和結合が無いので、エネルギー価が大きい
▷ 飽和脂肪酸の中鎖脂肪酸は、炭素数が中で、不飽和結合が無いので、エネルギー価が長鎖に比べて小さい
不飽和脂肪酸長鎖脂肪酸は、炭素数が長く、不飽和結合があるので、エネルギー価は、飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸より小さい



★ 仮説:エネルギー価が大きいほど、脂肪は蓄積されやすい。

以上からの推測で、エネルギー量が大きさと、アブラを蓄積しやすい脂肪酸の種類が、相関しているように思われます。エネルギーになる量が多いということは、余剰のアセチルCoAを生み出しやすく、結果的に中性脂肪の再合成に結びつきやすいのではと推測します。


酸化速度

● 飽和脂肪酸は、鎖長が長くなると酸化速度は遅くなる。MCT一番早い(※脂質栄養学)

● 長鎖飽和脂肪酸は、長鎖飽和脂肪酸より酸化速度は早い(※脂質栄養学)

上記内容を元に推測


酸化速度とは、β酸化の速度のことと考えます。エネルギーになる速さと推測します。鎖長が長いということは物理的に、完全に酸化されるまでに時間がかかるということは理解しやすいです。


上記の文章をまとめると、酸化速度は、

飽和脂肪酸の中鎖脂肪酸 > 飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸

飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸 > 飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸


この2つをまとめると、おそらく、

飽和脂肪酸の中鎖脂肪酸 >飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸 > 飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸

これも、アブラの蓄積されやすさに相関しています。



★ 仮説:酸化速度が遅いほど蓄積されやすい。


エネルギー価と酸化速度

以上の2つの仮説を判断基準として考えると、中性脂肪として再合成されやすい脂肪酸と、再合成されにくい脂肪酸の理由がわかってくる気がします。

太りやすいアブラ、太りにくいアブラ:まとめ(仮説)


上記の内容から「まとめ」をつくってみました。「仮説」という表現でまとめてみます。理由は、推測の域の内容もあるためです。仮説ということでまとめるのが適切と考えました。

● 余剰のアセチルCoAが「中性脂肪」に再合成されるということは、多くのエネルギーを産生するアブラが中性脂肪に再合成されやすい。筆頭が飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸。

● 「中性脂肪」に再合成されるのは、炭水化物とアブラ両方。(アミノ酸の糖新生はこの場では取り上げません。)

● 脂肪として蓄積しやすいアブラと、蓄積しにくいアブラがあるとしても、脂質は重要な栄養素。エネルギーになる以外にも、細胞壁の成分であり、生理活性物質など、生体の中でいくつもの重要な働きをする。

● アブラは、大切な役割をする栄養素であるため、適切な量を食べる必要がある。摂取量は脂肪酸ごとに違う。そのために脂肪酸ごとの摂取量を把握する必要がある。バランスが大切。

● 気にしたいのは、飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸の食べ過ぎ総エネルギー量の7%を意識する。

リノール酸は、過剰摂取なアブラ。意識して減らしたい。そのために「見えないアブラ」に注意する。

オメガ3系脂肪酸は不足している。意識して摂取したい。オメガ6系脂肪酸とのバランスも意識する。

● アブラは必要不可欠な栄養素。脂肪酸の種類による特性を把握して、それぞれ適切な量の脂質を食べることが、もっとも脂肪が蓄積しにくいと考えている。

脂肪を蓄積しにくい分類の脂肪酸を多く含むオイル


こだわり商品研究所でご紹介している毎日の食生活の脂質バランスを整えるために適切なイチオシオイルをご紹介します。

島根県産 低温圧搾生しぼり えごま油

えごま油の産地は、日本国産、中国産、韓国産という商品が多いです。
こだわり商品研究所は、日本国産という選択を選べる「えごま油」を選ぶことにしました。
えごま油の国内の産地はいくつがあります。その中で、島根県は、代表的なえごま油の産地として知られています。「神話の里」奥出雲の会社のえごま油になります。環境の良さ、オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸の配合率の高さ、味などの理由で島根県のえごま油を選びました。

えごま油

インカインチオイル

インカインチオイルは、ペルーの油になります。
えごま油、亜麻仁油の弱点は、コスト的に高いということです。オメガ3系脂肪酸は必須脂肪酸である以上、一生食べ続ける必要があるものです。コスト的にリーズナブルであるということは重要なことと考えます。オメガ3系脂肪酸を豊富に含むオイルの中で、インカインチオイルは続けやすい価格設定のオイルです。さらに、ビタミンE(γ-トコフェロール)が非常に豊富に含まれること、ナッツ系の植物の油であるということが、この商品を選んだポイントです。味も美味しいです。αリノレン酸系油の中で一番おいしいのではないかとも思っています。
インカインチオイル

プレミアムココナッツオイル

ココナッツオイルは、植物オイルとしては非常に珍しい、飽和脂肪酸の中鎖脂肪酸が豊富なオイルです。飽和脂肪酸は、酸化しにくい脂肪酸です。加熱調理用として最適です。しかも、ココナッツオイル特有のあの香りがほとんどないプレミアムココナッツオイルです。
プレミアムココナッツオイル

ココウェル 有機ココナッツMCTオイル 280g

ココウェルの有機ココナッツMCTオイルの特筆すべきところは、その製法にあります。
有機バージンココナッツオイルの温度を徐々に下げ、固まる脂肪酸を取り除く”非加熱”自然製法でつくられたMCTオイルです。抽出ではありません。
結果として、自然な食品のままのMCTオイルと理解することができます。ココナッツオイル本来の香りがほのかに残るのは、加熱しない自然製法によるものです。
一般的なMCTオイルは、C8カプリル酸とC10カプリン酸の合計が100%のものが多いです。ココナッツオイルから中鎖脂肪酸だけを取り出した「MCT100%オイル」とは、商品そのものが全く異なります。

MCTオイル