食物繊維は、朝食前(朝食時)に食べるのが効果的

朝食

内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」というプロジェクトがあるのを見つけました。
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/sip1_topix_combine.pdf
※PDFファイルです。

上のリンクのPDFファイルに、このプロジェクトの説明が書かれています。
抜き出してみました。

国の経済・産業競争力を高める上で重要な課題や社会的に不可欠で国民にとって真に重要な課題を産学官が連携し、府省の枠を超えて取り組むことにより、社会を変えていくイノベーションを創出する画期的な国家プロジェクトです。

「国家プロジェクト」ですから、スゴそうな雰囲気が漂っています。
このプロジェクトのひとつの重点目標として、以下のような内容が書かれています。

一つの重点目標には「新素材開発等による農林水産物の高付加価値化」を掲げ、国産の持つおいしさや機能性等の強みを活かした食品や未利用資源から新素材等を生産するなど、高付加価値化戦略を推進しました。
具体的には健康機能(脳機能、身体ロコモーション機能など)維持改善に効果的な食品や食事・運動レシピなどの開発です。

少し身近な感じがしてきました。
別の資料には、以下の様に書かれていました。

国産の農林水産物にこれまでにない健康機能性を見出し、高付加価値化戦略を推進することにより国際競争力の強化、輸出の促進、新たな地域産業の創出に寄与

さらに、わかりやすくなってきました。
この国産の農林水産物に取り上げられていたのは、以下の17品目。
興味深い栄養素が並んでいます。
こだわり商品研究所でご紹介している素材もいくつかあります。

ロスマリン酸(しそ・ハーブ) ・ノビレチン(柑橘類) ・プロシアニジン(リンゴ、黒豆) ・テアフラビン(茶)・γ-オリザノール(玄米) ・SAM・GPC(酒粕) ・高圧米 ・オリゴ糖(ムカゴ) ・ケンフェロール(桑) ・ラクトフェリン(乳) ・魚肉タンパク質(スケソウダラ) ・マスリン酸(オリーブ) ・オレアノール酸(パミス) ・モリン(わかめ) ・トマチジン(青トマトから誘導) ・イヌリン(菊芋) ・DHA(オーランチオキトリウム藻類)

https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/iinkai/nougyou_10/siryo5.pdf
※PDFファイルです。

この中に、イヌリン(菊芋)がありますね。
今回は、これをご紹介したいと思います。
「新たな地域産業の創出」に、わずかでも寄与できればと思います。

朝の菊芋の摂取は一日の血糖値上昇を抑制する

菊芋

イヌリン(菊芋)の研究の内容は、「朝の菊芋の摂取は一日の血糖値上昇を抑制する」です。
早稲田大学が研究代表機関となります。

試験研究計画名:高齢者に配慮した時間栄養・運動に基づく次世代型食・運動レシピの開発
研究代表機関名: 早稲田大学

https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/sip/sip1_topix_4-3-10.pdf
※PDFファイルです。

このPDFファイルに内容が書かれています。
PDFファイルですから、見にくい人もいらっしゃると思いますので、気になった点をピックアップしてみます。
それに対してコメントも書きたいと思います。
まずは、「背景と狙い」から・・・

食後高血糖は 2 型糖尿病や心血管疾患などの疾患リスクにつながることが示されています。それゆえ、食後高血糖を抑制することは糖尿病や心血管疾患の予防・改善のために重要です。
近年、血糖値の上昇抑制に有効とされる食物繊維が多く含まれた菊芋などの食品機能成分が注目を浴びています。


一方、ヒトの血糖値には日内リズムがみられること、朝食と夕食における代謝動態は異なり、全く同様の食事を摂っても夕食後の血糖値上昇が大きいことが示されています。

そこで、我々は血糖値の上昇を抑制する食品機能成分の摂取時刻の違いにより血糖値の日内リズムへの影響は異なる可能性があると考えました。

水溶性食物繊維であるイヌリンは血糖値の上昇を抑制する食品機能成分であり、菊芋やゴボウなどの身近な食材に多く含まれています。したがって、本研究では菊芋に着目し、高齢者を対象に 2 週間の 24 時間連続的な血糖値測定が可能である持続血糖測定器を用いて、朝または夕の 1 週間の菊芋の摂取が血糖値変動に及ぼす影響について評価しました。

食後血糖値の上昇は、気にしている人多いと思います。
食後血糖値の上昇を抑制するのが食物繊維と書かれています。ちなみにこの食物繊維とは、水溶性食物繊維を意味していると思います。

その食物繊維を多く含む菊芋が注目されている、と書かれています。その菊芋を効果的に食べる時間があるのではないか、ということで行われた研究です。

ここで、まず注目したいのは、菊芋が食後血糖値の上昇を抑制するのか、しないのかではなく、「抑制するのに有効」ということが前提としての研究ということです。ここ重要です。


夕食よりも朝食に菊芋パウダーを摂取することは、食後の血糖値上昇抑制により効果的であることが示唆されました。さらに、一日の血糖値を検討したところ、朝摂取群において夕摂取群に比較して一日の血糖値がより低下していることが分かりました。

この研究は、菊芋パウダーを使用して行われたようです。
研究の結果、夕食前より朝食前に食べた方が、食後の血糖値上昇抑制に効果的という結果となりました。
これは1食のみの結果ではなく、1日を通しての結果です。


血糖値変動への影響の違いは食事の間の絶食時間によるものだと考えています。朝食に菊芋パウダーを摂取すると、その次の食事は当日の昼食、夕食と続き、約半日のうちに 3 食を取ることになりますが、夕食に菊芋パウダーを摂取すると、その次の食事は翌日の朝食、昼食と続くため、菊芋パウダーを摂取してから約半日経って初めて 2 食目を取ることになります。

そのため、朝に摂取することで、次の食事と更に次の食事までの絶食時間が短くなることから『セカンドミール効果』(1 食目で血糖値の上昇を緩やかにする食事を取ると、2 食目での血糖値の上昇が抑制されるという効果)が生じ、菊芋パウダーを摂取していない食事においても血糖値の上昇が抑制されたものと考えられます。

朝食前に食べた方が有効という理由は、食事の間の時間の長さによるものではないかと推測しています。

つまり朝食時に食べると、その後、昼食を食べるまでに約4~5時間程度、夕食までは約半日(12時間)程度。だから、セカンドミール効果が出やすい。

夕食前に食べると、その後の朝食までに12時間程度、時間が空きます。昼食までは16時間程度かかります。
だから、セカンドミール効果が出にくい。

確かにそうだろうと思います。


本研究は、朝食または夕食における菊芋の摂取時刻の違いが日中および食後の血糖値変動に及ぼす影響について検討し、夕食前の摂取に比べて朝食前の摂取が食後および日中の血糖値コントロールにより有効であることを示しました。
今後も増加すると予想される糖尿病の予防や改善のための対策の一つとして応用できると考えられます。

菊芋を朝食前に食べることが、日中の血糖値コントロールに有効と結論付けています。

ちなみに、この「朝食前」ですが、朝食、その中でも血糖値を上昇させやすい糖質(例えば白米)を食べる前に菊芋パウダーを水に溶かしたりして食べる、ということだと思います。ただ、朝食前に菊芋パウダーを溶かしたものを飲むのはちょっと・・・、という意見もあるかと思います。お味噌汁などに、菊芋パウダーを入れることによって、糖質(例えば白米)と同時に食べても良いと思います。


また、現代の日本において一日の食事のバランスには偏りがあり、朝食時の摂取量が夕食時の摂取量に比べて少ないことが報告されています。
それに伴い、朝食での食物繊維摂取量が不足している可能性が高いと推測されます。血糖値調節における食物繊維の重要性を考えれば、その改善策として食物繊維が多く含まれた菊芋を用いた商品開発の活用が期待されます。

さて、じつはここにイチバン注目しています。
それは、1日の食事バランスに偏りがあるという点です。


朝食は少な目。昼食は普通。夕食をしっかり食べるのが、一般的な3食の食べ方なのではないでしょうか。
ある長寿医学を研究されている世界的に有名な先生の講演を聞いた際、朝食を一番しっかり食べてください、と仰ってました。
朝食をしっかり食べる、夕食よりもしっかり食べる、という専門家の意見をよく耳にします。
ただ、その理由はわかりませんでした。


ここに書かれていることは、朝食の量が少ないために、結果、朝食時の食物繊維摂取量が減っている。それが血糖値コントロールに影響を与えているという考え方です。この考え方は、普通に考えて納得できます。

これは、「朝食をしっかり食べた方が良い理由」のひとつになると思います。
この研究で朝食で食物繊維をしっかり食べることの重要性が理解できました。

では、朝食で食べやすい食物繊維は?といいますと・・・

● この研究の題材である菊芋(パウダー)・・・お味噌汁に入れる。牛乳に溶かして。


● イヌリンなどの粉末食物繊維・・・お味噌汁に入れる。ごはんと一緒に炊く。牛乳・ジュースに溶かして。


● 大麦、玄米など白米と一緒に炊ける食物繊維豊富な穀物。・・・主食として食物繊維を量を多く食べることができる。


食物繊維が豊富なシリアル・・・牛乳をかけて朝食シリアル。

などが挙げられると思います。
ちなみに、この場合の食物繊維とは、水溶性食物繊維を指すと思われます。
イヌリンも水溶性食物繊維です。


水溶性食物繊維を朝食でしっかり食べる。適切な水溶性食物繊維は、菊芋、大麦、イヌリン粉末
など。