油 ( 脂質 )はカラダの中で、どんな働きをしているの?

脂質

油 ( 脂質 )はカラダの中で、どんな働きをしているの?

脂質は、身体の中でどんな働きをしているのでしょうか。
代表的な働きを説明します。
この情報を知ることで、脂質の大切さを理解することができます。


脂質は、細胞膜の成分です。

●脂質は細胞膜の原料になっていいます。脂質がなければ細胞膜はできません。細胞膜がなければ細胞が成り立ちません。30数兆個と言われる細胞には、すべて細胞膜が必要です。生命体として成り立たせるためには、脂質を食べ続ける必要があります。さらに、どんな脂質を食べるかによって、細胞膜の質、ひいては細胞の質が変わってくるのです。

●細胞膜は、リン脂質という脂質が連なってできています。リン脂質は、2本の脂肪酸が結合しています。片方が飽和脂肪酸で、もう片方が不飽和脂肪酸であることがほとんどです。不飽和脂肪酸は、二重結合で折れ曲がるため、二重結合が多い脂肪酸ほど折れ曲がりが多くなります。このことによって、細胞膜の柔軟性と流動性が高まります。つまり、不飽和脂肪酸のうち、必須脂肪酸で二重結合が多いオメガ3系脂肪酸を意識的に食べる必要があるということです。オメガ6は摂取過剰です。

●組織によって脂肪酸組成の偏りがあります。例えば肺には、パルミチン酸など飽和脂肪酸が多いそうです。おそらく肺は常に酸素を取り入れているため、酸化を防ぐために酸化しにくい飽和脂肪酸が多くなっているのでしょう。心臓や網膜には、DHA(オメガ3)が多いようです。進化の過程でその組織に適切な偏りが生まれたようです。オメガ3脂肪酸は、摂取が難しい脂肪酸なのですが、食べないとオメガ3系脂肪酸を必要と知る組織に届かない、ということになります。


脂質は、エネルギー源となります。

食べ物として摂取した脂質は、消化・吸収されて全身に運ばれ、1gあたり9kcalのエネルギーを産生します。炭水化物やタンパク質は、1gあたり、4kcalですから、脂質は効率の良いエネルギーであるということが言えます。
一般的に、まず糖質からエネルギー源として使用されますが、糖質よりも脂質をエネルギーに使う組織があったり、糖質と脂質が切り替えながら使われる組織があったりします。使われなかった脂質は、中性脂肪として貯えられたります。

脂質


脂質は、生理活性物質の原料となります。

細胞膜を構成している脂肪酸の中の、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、EPAは、生理活性物質であるエイコサノイドの原料となります。生理活性物質は、わたしたちのカラダの恒常性を調整する働きをしています。「局所ホルモン」と呼ばれることもあります。全身の細胞でこの働きが行われているため、影響は大きいとされます。また、原料となる3つの脂肪酸は、必須脂肪酸であり、食事から食べる必要があるため、どんなバランスで脂質を食べるのかで、エイコサノイドのバランスが変わってきます。


ホルモンの材料となります。

男性ホルモンや女性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどは、コレステロールを原料につくられます。脂質は、体内で、脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、コレステロールとして存在します。このうちコレステロールは、体内で合成されるのが65~80%、食事から食べられるのが、20~35%とされます。コレステロールが多い脂質は、動物性の飽和脂肪酸です。


脂溶性栄養素の吸収を良くします。

ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは、脂溶性ビタミン。
βカロテン、リコピン、ルテイン、アスタキサンチン、β-クリプトキサンチン、クロロフィルなどは、脂溶性栄養素。
これらの栄養素は、脂質と一緒に食べることで吸収率が良くなります。

βカロテン・・・にんじん、モロヘイヤ、ほうれんそう、かぼちゃ、ケール
リコピン・・・トマト
ルテイン・・・ブロッコリー、ケール、モロヘイヤ、コマツナ
アスタキサンチン・・・鮭、エビ、カニ
β-クリプトキサンチン・・・温州みかん、パパイヤ、柿
クロロフィル・・・ホウレンソウ、パセリ、レタス