【 皮脂を補うスキンケア 】馬油

皮脂を補うスキンケア

◆足りなくなった皮脂を補う

「足りなくなった皮脂を補う」ことが「スキンケアの基本(のひとつ)」と考え、「皮脂にある成分」を補ってあげる。このテーマを考えています。

今回は、「馬油」について取り上げます。

馬油


馬油

馬油は、人の皮脂に近いオイルと言われています。馬油を見ていきたいと思います。


馬油の脂肪酸組成

パルミチン酸・・・29.7%
ステアリン酸・・・4.3%
ミリスチン酸・・・2.4%
オレイン酸・・・32.5%
パルミトレイン酸・・・6.5%
リノール酸・・・3.8%
αリノレン酸・・・16.1%

※Nippon Shokuhin Kogyo Gakkaishi Vol. 34, No. 9, 616~624 (1987)〔 総 〕
動物油脂の脂肪酸組成とその変動 山崎恵


皮脂の中の脂肪酸の割合

皮脂の中には、約35~40%程度のトリグリセリドと、約13~17%程度の遊離脂肪酸が含まれます。
遊離脂肪酸は、トリグリセリドが分解されてできますので、由来は同じです。
合計すると、48~57%程度のトリグリセリド由来の成分が含まれますので、皮脂の主原料と言っても良いと思います。

では、この脂肪酸組成はどのようになっているかということで、遊離脂肪酸の脂肪酸の割合を見てみますと、以下のような割合になります。

パルミチン酸・・・約 27%
ステアリン酸・・・約 16%
ミリスチン酸・・・約 2%
オレイン酸 ・・・約 22%
パルミトオレイン酸・・・約 8%
リノール酸 ・・・約 13%
その他   ・・・約 12%


馬油と人の皮脂の脂肪酸を比較してみると

馬油と人の皮脂の脂肪酸の割合を比較してみます。
するとほんとうにその割合が似ていることがわかります。
いくつか特徴的な脂肪酸を見てみます。


「パルミチン酸」が、人も馬も両方一番多いです。人の脂肪酸の中で一番多いのがパルミチン酸です。パルミチン酸は、体内で合成することができる脂肪酸でもあります。パルミチン酸を美容オイル(植物系)で補おうとすると、飽和脂肪酸ですので植物系美容オイルにはあまり多く含まれません。馬油は、このパルミチン酸を人の皮脂に近い配分率で補うことができます。


●次に多いのが両方とも「オレイン酸」です。オレイン酸も人の体内で合成できる脂肪酸です。「保湿の柱」と言っても良い脂肪酸でもあります。オレイン酸は、植物系の美容オイルに多く含まれます。


●注目したいのが「パルミトレイン酸」です。なぜ注目したいかと言うと、パルミトレイン酸は、「アンチエイジングの要」と言われる脂肪酸です。パルミトレイン酸を補うための美容オイルは「マカデミアナッツオイル」が知られていますが、他はあまり多くないのです。そのパルミトレイン酸を補うことができるのは馬油のポイントです。


●ひとつ気になるのが、「αリノレン酸」です。馬油にはαリノレン酸が16.1%程度含まれます。αリノレン酸は、酸化しやすい油です。そういった意味では、馬油は酸化しやすい部分があることがわかります。


馬油を使用する際に知っておきたいポイント

●馬油は、人の皮脂と比較して、脂肪酸組成が非常に似ている。

●「皮脂を補うスキンケア」を考えた際に、非常に適した美容オイルと思われる。

●馬油、ホホバオイル、スクワランを混ぜると、人の皮脂の成分に非常に近くなるのでは、と思われる。

●こだわり商品研究所で紹介している馬油のベビーピュアオイルは、液体状のオイル。これは、通常の馬油に比べて、飽和脂肪酸であるパルミチン酸とステアリン酸の配合率が少なく、オレイン酸、パルミトレイン酸などの不飽和脂肪酸の比率が高い、のではないかと推測される。


◆ 皮脂を補うスキンケア【馬油】のまとめ


●馬油は、人の皮脂に近い美容オイル


●脂肪酸組成をみると「皮脂を補うスキンケア」に最適。

●ホホバオイル、スクワランと一緒に使用するのがオススメ。


※参考文献、情報収集

この記事は、以下の会や、本などで情報収集、勉強したことを参考に書きました。

Natural Life & Beauty Academy
一般社団法人日本リポニュートリション協会
日本脂質栄養学会
脂質栄養学(菅野道廣 著:幸書房)
化粧品成分検定公式テキスト(一般社団法人化粧品成分検定協会編:実業之日本社)
化粧品成分ガイド(宇山侊男 著、岡部美代治 著、久光一誠著:フレグランスジャーナル社)
皮膚はすごい(傳田光洋著:岩波書店)

こだわり商品研究所でご紹介している馬油


ベビーピュアオイル

肌馬油ベビーピュアオイル 30ml【こだわり商品研究所ストア】
https://www.kodawari-store.com/c/skincare/mayu