体内発酵という考え方

発酵食品


体内発酵という考え方


2020年7月17日、こだわり商品研究所でご紹介しているイヌリア「発酵する食物繊維」のメーカーである帝人さんから紹介されたセミナーを受講しました。ここで、コロンブスの卵的な考え方を教えてもらいましたので、勉強した内容を自分なりにまとめてみました。「体内発酵」という考え方です。


発酵とは

「発酵とは何か?」をまずは確認したいと思います。
何冊かの発酵の本からピックアップしてみると、発酵とは以下のように定義されるようです。

●微生物の働きにより有機化合物が変化する現象。
●微生物の働きによって物質が変化し、人間にとって有益な物質を作り出すこと。
●微生物が人間に有益な有機物を生成すること。


発酵食品

味噌、酢、醤油、日本酒、納豆、ヨーグルト、キムチなどの一般的な発酵食品。これらは微生物の働きにより、元となる物質が変化し、人間にとって有益な有機物が生成され、つくられた食品です。これは、人間の体外でつくられたものです。


体内発酵

それに対して、人間の体内で微生物の働きにより人間に有益な有機物が生成されることを「体内発酵」と表現することができます。

人の腸内には、100兆個以上の微生物(腸内細菌)が住んでいます。大まかにわかりやすく言いますとビフィズス菌、乳酸菌などです。腸内細菌は、食品として長年食べてきた微生物が腸で定着したものも多く存在します。

これらの微生物(腸内細菌)は発酵するのです。上に書いた「発酵の定義」そのままのはたらきをします。まさに「体内発酵」という表現は適切に思えます。


体内発酵する場所は大腸

この「体内発酵」が起きる場所が、腸です。
まず消化器官ごとの腸内細菌の数をお知らせします。

●胃・・・100~1000個/g 強い胃酸があるため多くない。
●十二指腸・・・100~1000個/g 胆汁のため多くない。
●空腸・・・約10000個/g  流れが速く増殖し難い。宿主との栄養分の取り合い等定着し難い。
●回腸・・・10万~1000万/g
●大腸・・・1000億個/g 100兆個以上です。

圧倒的に大腸に腸内細菌が多いです。いわゆる腸内フローラは大腸に存在します。体内発酵が起きる場所は、とくに大腸です。

大腸


体内発酵でつくられるのは短鎖脂肪酸

体内発酵でつくられる人間にとって有益な物質は、「短鎖脂肪酸」です。
酪酸、酢酸、プロピオン酸などです。

この短鎖脂肪酸は、「スーパー物質」と呼ばれ、健康面であらゆる良い働きをします。
腸内環境で健康に関するあらゆることが説明できるといわれますが、短鎖脂肪酸がその主役のひとつと思われます。

・免疫力向上
・抗炎症作用
・全身のエネルギー源
・やせ体質
・などなどなど


体内発酵に、必要な栄養素が水溶性食物繊維

「体内発酵」によって短鎖脂肪酸が産生されるためには、微生物(腸内細菌)のエサが必要です。
それが、水溶性食物繊維です。
βグルカン、イヌリン、ペクチン、グルコマンナン等です。

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。食物繊維と言うと野菜を思い出す人が多いと思われますが、野菜に入っている食物繊維は不溶性食物繊維が多いです。


体内発酵に必要な水溶性食物繊維を供給しないと腸が・・・

微生物(腸内細菌)に水溶性食物繊維を供給しないと、微生物(腸内細菌)が腸壁のムチン層を食べてしまい、腸壁が薄くなってしまいます。それによって弊害が起きることも。


体内発酵という考え方

体内発酵という考え方いかがでしたでしょうか。
発酵と言うのは、ヒトの歴史と共に存在してきたものです。
定義にあるように、発酵は人に有益な食品をつくってきました。

その発酵というはたらき、実は人間の身体の中でも行われていた。
逆に、人間の「体内発酵」の一部を外に出したのが発酵食品と言う考え方もできるのです。
その発酵食品と人は共生してきました。

発酵食品は人の身体に良い食品と言う認識をして、意識的に食べている人が多いと思います。
同じように人間の身体の中の発酵を意識して食生活を考えてみる、そんなことに気が付きました。

今まで、腸内細菌のために水溶性食物繊維を食べることの大切さをご紹介してきました。ところがでは腸内細菌がどんな良いことをしてくれるの?ということにピンとこなかった人も多いように思います。

「体内発酵」というキーワードがあることで、「腸内のはたらき」がわかりやすくなった気がします。

【 体内発酵 】
「大腸の腸内細菌」
「発酵」をすることで「短鎖脂肪酸」が産生されること。
そのために「水溶性食物繊維」が必要。


このセミナーは

受講したセミナーは、
・岡山大学大学院 環境生命科学研究科 教授 森田 英利先生
・日本発酵文化株式会社 常務取締役/運営統括マネージャー 藤本 倫子先生
・日経BP総合研究所 客員研究員 西沢 邦浩先生
の3名の先生によるセミナーでした。
わたしは、西沢邦浩先生の話を聞くのは4回目。本も紹介しています→クリック。


関連ページ

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水溶性食物繊維

大腸

酢